ヤマダ電機がネットのせいで赤字化、ってホント?

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あの「ヤマダ電機」も赤字撃沈、ネット通販の「猛威」……家電量販店の“逆襲戦略”とは(産経新聞)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1312/03/news042.html

> 拡大路線を突き進んできた家電量販店最大手のヤマダ電機が、平成25年9月中間決算でついに最終赤字に陥った。(中略)運営コストが低く低価格を得意とするインターネット通販との激しい消耗戦により、「武器」の低価格が自身にダメージを与え続けた結果だ。


 記事によると、飛ぶ鳥を落とす勢いだったヤマダ電機は、ここへ来てインターネットとの戦いで苦しくなってきているみたいです。確かにそうなんだろうな、と思いつつ、ホントかどうか決算書を見てみました。

 表は、ヤマダ電機の四半期ごとの業績推移です。見ると、最近は売上が二桁成長を続けており、また足元の四半期では黒字に戻っている、という状況です。なんだか記事が伝えている内容と違いますよね。

 実は、12Q4から売上が二桁伸張しているのは、ベスト電器を統合したため。もろもろ踏まえ、ヤマダの業績はざっくりこんなカンジなのではないでしょうか。

−震災後である11Q2から売上の前年割れが続き、11Q4には営業赤字も経験している
ベスト電器統合により、12Q4からは見た目上は二桁成長となっている
−ヤマダ電機よりも原価率の高い事業であった(推測)ベスト電器の統合により、原価率が悪化
−更に12Q4、13Q1には特損も出したこともあり、最終赤字転落
−13Q2は売上もやや回復し(季節要因?)、特損もなくなったので黒転

 ということで、インターネット通販のせいでついに赤字に! といわれると、ホントかなあ、と思ってしまうわけです。