そか、富士通ってスマホ市場での成功者だったのか

キーパーソンに聞く
NEC、パナは撤退したのに、なぜ富士通は生き残れたのか
スマホシフトが成功した理由は東芝との事業統合にあった(日経ビジネスONLINE)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20131202/256578/


 富士通の携帯というとらくらくホンのイメージですが、どうやらガラケー特化を打ち出したNやPと違い「スマホシフト」に成功したらしいのです。富士通の失敗要因というと「社員が働かないから」なので、成功したとしたら「社員が働いたから」じゃないかとは思うのですが、いずれにせよ成功者が成功の秘訣を共有してくれるのはありがたいですよね。ということでまずは実績を見てみることにしました。


2013年度上期 国内携帯電話端末出荷概況(MM総研)
http://www.m2ri.jp/newsreleases/main.php?id=010120131031500


 MM総研によると、富士通の13年度上期における国内携帯出荷数は123万台でシェア7.5%。そのうちスマホだけに絞るとシェア6.0%と(スマホ数量は逆算すると約73万台。ガラケーシェアは約12%)、あれ、スマホのほうがシェア低いの?
(ちなみに「ランチェスター戦略」では6.8%が「市場で認知され、存在が認められるようなるレベル。シェアが下がってきた場合は撤退基準にもなる」存在目標値とされており、富士通のスマホのシェアは数値的には撤退判断してもよいところのようです)
http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0807/01/news164.html
 で、そこらへんも含め、インタビューを読んでみます。


> (NやP)が、スマートフォンから撤退する中、同じドコモファミリーの富士通は、今も大手の一角を占めている。
> “ハイスペックなら富士通”というイメージを定着させた

 
 「存在目標値」を下回るシェア6%で「大手」と言えるのか、世の中の人は本当に「ハイスペックなら富士通」と思っているのか、など疑問はありつつ読み進めると、いよいよ「スマホシフト」を成功させた秘密が明らかになります(っていや、副題になっているけど)。

 
> 結局僕らは、Androidを侮ったんですね。
> 技術面を見ても、もともと富士通にはクアルコムのチップを使いこなす技術などなかったんです。
> そこから大きく転換したのは、東芝と一緒になったからです。これが富士通が、NECパナソニックと違うところです。


 ええと、要するに、自社が持つリソースのうち、「あるべき姿」において不足している分を適切な相手との事業統合により速やかに入手することができたから、でいいのかな。Nみたいに日立やカシオと一緒になってもしょうがないんだと。なるほど。
 すばらしい統合相手を得て、「スマホシフト」に「成功」した富士通、スマホ市場に大きな夢を描いているのかと思いきや、


> (黒字化は)今年度通年では無理ですが、下期はイーブンに持ってこなきゃいけない。頑張りますよ。
> 今年度通期の出荷台数の見込みは、420万台です。富士通は、一番売っていたときって700〜800万台売っていたんです。すぐにはそこまでは回復しないでしょう。


 うーん、結構大変そうですね。
 やっぱインタビューに応えてもらったからには持ち上げざるを得ない、というのもあるんですかね。ううむ。