孟母三遷、という言葉がどうにもしっくり来ない

 「孟母三遷(もうぼさんせん)」という四字熟語があります。文字通りの意味は、孟子の母の三度の引越し(遷移)、ということですが、これは要するに教育には環境が大事だよ、ということのようです。
 
 
 儒学者の重鎮である孟子も、子供のころは普通の子供だったようで、家がお墓の近くだったからと「葬式ごっこ」ばかりして遊んでいたと。
 
 これはいけない、と孟子くんのお母さんはその家から引っ越したのですが、引越し先は市場の近くで、孟子くんは今度は「商売ごっこ」をして遊びます。
 
 商学研究科出身のワタシとしては別によいのではないかと思うのですが、商人に対してよくない思いを持つお母さんはやはりこれはいけない、と再び引越します。
 
 今度の引越し先は学校の近くで、孟子くんは学生たちが行っていた祭礼儀式や礼儀作法を真似し、お母さんは大満足、そして立派な儒学者になりましたよ、というお話です。
 
 
 なぜじゃあ最初から学校の近くに引っ越さなかったのか、とか、じゃあそこの学校の学生は孟子よりも立派に育ったのか、という疑問は残りつつ、教育は環境が大事、という話はまあいいわけです。が、声を出しにしていいたいのは、
 
 引っ越したのは2回じゃね?
 
 ってことです。
 
 のび太が「8本の首を持つヤマタノオロチ」のマタは7つなんじゃないか、と疑問を持ったり、慶応義塾の三色旗は2色なんじゃないかと言ったりするような話ですが、どうにもこうにもしっくりこないですよね。はい。
 
 
孟母三遷」(中国故事街)