中国で肺がんが多いのは、PM2.5のせいといっていいのか?

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 PM2.5のせいで、中国が世界で最も多く肺がんが発生する国になっていると指摘しているテレビ東京の番組。まぁでも人口も世界一なんだから、発生が世界一でもおかしくないよな、と思い、世界の人口比率と比べてみました。

 

2013年世界地域別人口(百万人)・人口比率

世界 7,162 (100.0%)
中国 1,386 (19.4%)
インド 1,252 (17.5%)
アジア* 1,661(23.2%)
北米 565 (7.9%)
南米 407 (5.7%)
欧州 742 (10.4%)
アフリカ 1,111(15.5%)
オセアニア 38 (0.5%)

*アジアは中国・インドを除く
(出所:UN, World Population Prospects: The 2012 Revision)

 

 すると、中国は人口比で 19.4% のところ 35.8%(1.8倍)と確かにかなり多いですね。しかし他にも、北米は 人口比 7.9% に対して 13.1%(1.7倍)、欧州は 10.4% に対して 22.5%(2.2倍)と同様に高い倍数となっています。

 こうなると、PM2.5⇒中国肺がん増の要因、と断言するのはやや強引ですね。それでしたら、欧州の方が中国よりPM2.5が多くないといけません。もちろん理由のひとつにはあると思いますが、他の要因も考えられるのではないでしょうか。例えば欧米で倍率が高いところから、例えば医療の進歩などで寿命が長く、「がんにかかるようになるまで長生きできる」ということもあるのかもしれません。

PM2.5が主要因じゃないといいたいわけじゃなく、このグラフだけじゃわからない、ということをいいたいだけです)

 特にTV番組は録画していないとあとから見返すことが困難ですので、パッと見の印象でなんとなく理解しないようにしたいですね。