一番おいしい食べ物

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 今まで食べた食べ物の中で、一番おいしかったものは何か、と問われ、即答できるでしょうか。あのステーキか、あの寿司か、などと思いを巡らしても、では本当にそれが一番か、と問われるとなかなか難しいですよね。頑張って一つに決めても、でも結局炊き立てのご飯とみそ汁にかなうものはないよね、といわれるとまた決心が揺らいでしまうのであります。

 が、作家の浅田次郎さんは、そのエッセイ『つばさよつばさ』の中で、北京にある全聚徳烤鴨店の北京ダックを評して、以下のように述べています。

 

世界一うまい食べ物である。むろん個人的採点ではあるけれども、一度でもこれを食べた人は、たぶん同じことを言うと思う。

 

 なんということか。一度でも食べたひとはみな世界一うまいと思うであろう北京ダック。そんなものがあるというのか。そんなの、死ぬ前に一度は食べないわけにもいかないじゃないですか。(ちなみに写真は世界一のソレではありません)

 ただ、全聚徳は幸い新宿や銀座にもあるみたいじゃないですか。思いのほか近くに世界一があったもんだ、よっしゃよっしゃ、と思いきや浅田さん曰く、

 

味を問うならどうしても、西太后の時代から変わらぬ煉瓦の釜で鴨を焼く、前門の本店でなくてはならない。

 

 ううむ、いつ行けるかな、北京。

 

 

全聚徳
http://zenshutoku.com/