都会に住むことはすなわち不幸であるのか

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都道府県別 幸福度ランキング -なぜか不機嫌な日本人の不思議【1】[PRESIDENT Online]


 発表されたのは少し前ですが、都道府県別幸福度なんてものがあるらしいです。評価軸は「生活・家族」「労働・企業」「安全・安心」「医療・健康」の4つで、算定したのは『日本でいちばん大切にしたい会社』の著者でもある、法政大学大学院の坂本光司教授。これによると、トップ3は福井・富山・石川の北陸3県。これらの県はこういう指標ではめっぽう強く、北国のイメージからも、なんとなく日本の北欧といったところでしょうか。

 一方東京都は38位、大阪府は47位と都会のほうが不幸であるとの気配も。そこらへんどうなのかと、人口密度1,000人/㎢(出所:総務省統計局)で「都会」「田舎」に、幸福度6.0で「幸せ」「不幸」に分け、プロットしてみました(上図)。境界の数値は分布の真ん中くらい、といった程度の意味合いです。

 するとまず気付くことに、全体的にL字型に分布し、「幸せな都会」が存在しない、ということです。県の発展とはすなわち、不幸への道だということなのでしょうか。

 例えば幸福度最下位の大阪府。お笑い文化の大阪がいちばん笑えない状況にあるみたいです。個別指標では完全失業率全国46位、正社員比率45位、就職希望者数46位など、雇用関係の悪さが特に目立つ模様。仕事がないから都会に行く、という流れが逆に、都会で失業者を生んでいるということなのか、あるいはセーフティネットの充実で、失業しても生きていけることが失業者を生んでいるという面もあるかもしれません。雪国での野外の越冬は命に関わりますし。

 地域別では、中部地方の幸福さが目立ちます(グラフでは◆が中部地方の県)。福井県富山県・石川県はもとより、愛知県にしても「不幸な都会」の中ではもっとも幸せな県となっています。大阪と異なり、自動車産業中部地方の幸せを支えているのでしょうか。

 しかし、ではなぜ「不幸な都会」に人は集中しているのでしょうか。人は幸せを求めるものだとすると、幸福県に人が集まってもよさそうな気がすると思うのですが実際にはそうなっていません。人は幸せさでは住む場所を変えることはないということなのか、住んでみないと幸せなのか分かりにくいということなのか、この指標が拾いきれていない幸せというものがあるということなのか、どうなのでしょうか。(推測だらけの文章ですね、はい)



総務省統計局