一票の格差の解消はできるのか

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 選挙のたびに話題になる一票の格差。憲法違反状態というのだから穏やかじゃありません。「護憲派」の皆様にとってはもっとも許しがたいことなのじゃないでしょうか。断固護るべき憲法に違反しているというのですから。そんな選挙は無効にしろ! という声が聞こえてきてもおかしくありません(が、聞こえてこないかな?)。

 で、現状は確か各都道府県に1議席ずつ配分してから、更に残りを人口比で割っているということなのですが、どうしたら格差が解消されるって、ゼロベースで人口比で選挙区を割り振ればいいんですよね(日本では有権者数比でなく人口比が一般的みたいです)。忙しい先生方に代わって、とりあえず都道府県別に議席数を計算してみました。

 衆議院小選挙区定数295議席を人口比で割り振ったのが上の表。このあるべき姿に比べ現状は、東京が6、神奈川が3、埼玉、愛知、大阪が2、北海道、千葉、静岡、兵庫、福岡が1議席割り当てが少ない状況のようです。東京都民は本来あと6人政治家を送り込めるんですね。

 一方これら都市圏から取り去った20議席、どこへいったかというと、青森、岩手、宮城、秋田、福島、新潟、富山、三重、滋賀、奈良、和歌山、鳥取、岡山、山口、香川、愛媛、長崎、熊本、鹿児島、沖縄の各県に1議席ずつ分配されています(福井、山梨、徳島、高知、佐賀にも分配されていましたが、今回の定数5減でなくなったようです)。例えば鳥取は本来全県で1議席であるところ、その倍の2議席があると。

 これはリベラルの支持層が強い都道府県の議席を、保守が強い都道府県に移しているように見えますが、だとすると民主党政権時に是正することもできたと思うのですが、党として全体最適よりも、各個人の個別最適を押し通す力が強かったということなのでしょうか。