公明党・共産党はカタい支持層に支えられた政党なのか

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 政党によって、支持基盤が強固な政党と、そうでない、比較的無党派層に強い政党がありますが、確固たる支持者は雨が降ろうと槍が降ろうと投票してくれますので、投票率が上がったほうがうれしい政党と、下がったほうがうれしい政党がでてくるわけです。投票日当日の天気が情勢を左右するともいいますよね。

 選挙に行きましょう、などという呼びかけも、なるべく民意を政治に反映させたいという想いから出ている場合と、無党派層に比較的強いわが党の得票を伸ばしたいという想いから出ている場合があり、注意が必要です。そんなこんなで、2000年の衆院選前での森総理(当時)の「無党派層は寝ててほしい」という発言が出たりするわけですが。

 支持基盤が強固とされている政党は、たとえば宗教団体の創価学会が支持基盤の公明党と、綱領を読むに日本で社会主義革命を目指す(らしい)日本共産党が挙げられます。これらの党はカタい支持層を持っているので、低投票率のほうが議席数を伸ばす傾向にあり、投票を棄権することはこれらの党に票を投じているのと近いことである――と、思っていたのですが。

 前回予想の的中率が話題になった、Yahoo! JAPAN議席予測。今回も予測をしていて、投票率が50%台前半と、60%前後の場合の2ケースの予測を公表しています。


 政党/解散前/50%/60%
 …………………………
 自民   295  300  311
 公明   _31  _48  _47
 民主   _55  _69  _61
 共産   __8  _23  _25
 維新   _42  _20  _14
 ほか   _49  _15  _17
 …………………………
 合計   480  475  475

出典:ビッグデータが導き出した第47回衆院選議席数予測(Yahoo!JAPAN)


 絶対値としては、解党したみんなの党を含む「その他」や維新が減り、自民、公明、民主、共産が増えるという予測。ここで注目したいのが投票率による獲得議席数で、もし投票率が上がると、

 自民 +11 共産 +2、ほか +2
 公明 -1、民主 -8、維新 -6

 のように、自民に有利だが、民主・維新に不利だという予測になっているんですね。公明は差は1議席とほぼ横ばい、共産に至っては投票率が増えたほうが有利ということで、いつの間にか共産党はカタい支持層を持つ政党から、無党派層の受け皿たる政党へと変わっていっていたということなのでしょうか。さらに、民主・維新という、無党派層の支持を受けて躍進した政党が、低投票率のほうが議席数が多いというのも印象的ですね。

 もちろんこの予測の精度がいかほどか、ということはあるとは思うのですが、政党の立ち居地も時代によって移り変わりうるということはあるのでしょうね。

 ――衆院解散の万歳の声、諸行無常の響きあり