若者は今も盗んだバイクで走り出しているのか

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「盗んだバイクで走り出す」といえば今から30年以上前のの1983年にリリースされた尾崎豊のデビュー曲「15の夜」ですが、はて今の若者も盗んだバイクで走り出しているのか、調べてみました。

 警察庁の統計によると、少年(14歳以上20歳未満)によるバイクの窃盗の検挙人数は、2003年には10,669人でしたが、2012年にはそれが4,932人まで下がっています。なんと半減以下。若者の深刻な「盗んだバイクで走り出す」離れがあるようですね。

 尚、バイクの窃盗で年齢を問わない全検挙件数のうち少年が占める割合は、2003年の95.1%から2012年の93.5%とわずかに減っておりますが、引き続き少年が主体の犯罪といえるようです。55の夜には盗んだバイクで走り出さないんですね。

 ただし検挙人数の減少は、検挙率の減少、少年の減少、バイクの減少といった要因も考えられます。まず検挙率の減少、すなわちお巡りさんが前より犯人を捕まえられていないんじゃないの、ということですが、2003年の8.0%から2012年の11.2%へとわずかに増えており、それが要因ではなさそうです。しかしそれでも1割しか盗んだバイクで走り出した犯人はつかまらないんですね。味をしめて再犯、というのも多いのかもしれません。

 少年の減少も、グラフの通り人口比率で検挙人数が減っていることから、要因とはいえなさそうです。またバイクの減少ですが、日本の保有台数は2004年の1326万台から2012年は1199万台となっています(出所:JAMA)。減ってはいるものの△10%と半減するほどではないので、やはり単純に少年は前ほどバイクを盗まなくなってきている、ということが言えそうです。

 ちなみに少年犯罪全体でも、2003年の14.4万人から、2012年の6.5万人と大きく(△55%)減少しています。これは防犯活動によるものなのか、教育によるものなのか、不良文化の衰退のせいなのかは分かりませんが、警察や文科省はもっとこのことを どやっ、と誇ってよいような気はしますね。