日本の交通事故数って世界一だったんですね

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 日本は安全な国、というのが定説ですが(ライフスペースじゃないですよ)、こと交通事故に関してはそうでもないようです。

 グラフは国別の、人口10万人あたりの交通事故数の比較です(*)。なんと日本は569件で世界ワースト1位。もっとも交通事故にあう可能性が高い国になっているようです。こりゃ、移動なんてするものじゃないですね。

 理由としてまず考えられるのが、車が多いから、です。人口1,000人あたりの四輪車普及台数(**)は、世界平均158台に対して日本は597台とかなり多いです。ただし米・豪・伊・加・瑞(スイス)・仏よりは少ないので、これだけでは説明できません。オーストラリアなんてもっとも事故が少ない国ですし。

 あとは人口密度も関係していそうです。狭いところにヒトがいっぱいいたら、そりゃぶつかることもあろうと。グラフに出ている国でkm2あたり300人を超えているのは、韓・蘭・印・白(ベルギー)・日のみ。このうち韓・白・日はランキング上位であり、理由の一つとしていえそうですが、蘭・印はむしろ下位にあり、これも説明し切れているともいえません。ただしオーストラリアが事故が最も少ないというのは、人口密度が3.0人/km2(日本の1/100以下!)という国土の状況が影響していることは考えられそうですね。

 大きそうなのは、「そもそもちゃんとカウントされているのか」ということです。日本では事故を起こせば軽微なものでも警察に連絡する、というのは半ば常識ですし、警察の統計も信頼性が高いものですが、多少ぶつかったところであまり気にしない、という国や、警察の評価が下がるから事故は少なめに報告しておこう、とする国も一方にはあるのではないかと思います。そうでもなければあの国やあの国が下位にいる理由が納得できない、というのはあまりに客観性を欠いた意見だとは思いますが。いやはや。

 いずれにせよ、日本で少なくない事故が起きているのは事実ですので、交通安全には十分気をつけたいものですね。ちなみに10万人あたりの交通事故死者数では日本は4.51人で、20人を超える南アフリカ、イラン、マレーシア、UAEなどよりはるかに低く、また事故数が最も少ないオーストラリア(6.06人)よりも少ない値となっています。日本は軽微な事故が多い国、といえるでしょうか。

*出所:総務省統計局『世界の統計2014』
**出所:国土交通省、Ward's、OECD国連よりJAMA